動物とのコミュニケーションは、非言語(ノンバーバル)で行われるというのは、説明不要かと思います。
乗馬では手綱、重心移動、脚などで意志を伝えますが、これも非言語です。
非言語には「表情、視線、声の調子(トーン)、身振り手振り、姿勢、距離」等々が該当しますが、言葉以外の全部と言えば、範囲の広さが分かりやすいかと思います。
つまり「自分が思っているよりも多くの情報が、相手に伝わってしまっている」という事になります。
いいですか?「伝えているつもりがなくても、相手に伝わってしまう」んです。
意識で変わる、乗馬におけるピグマリオン効果とは?
1964年に、アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールの実験から「人間は他者から期待された通りに、成果を出す傾向がある」という、心理効果が発表されました。
ピグマリオン効果の研究については、色んな批判もあるので、乗馬において重要な部分だけを取り上げます。
それは「あなたが接する・乗る馬に対し、どう思うか(意識するか)で、結果が大きく変わる」という部分です。
非言語で「自分が思っているよりも多くの情報が、伝えているつもりがなくても、相手に伝わってしまっている」と、お伝えしましたが、ここが最も重要なポイントです。
あなたが、心底素晴らしい馬だと思って接していれば、それが伝わります。
自分を大切に扱ってくれる人を、余程の事がない限りは、わざわざ振り落とそうと考えませんよね?
そして、心底素晴らしいと考えていると、素晴らしい面にしか自分の意識が向かないので、それ以外は見えなくなります。結果、素晴らしい結果しか存在しなくなります。
意識で変わる、乗馬におけるピグマリオン効果のカラクリと活用
「あなたが接する・乗る馬に対し、どう思うか(意識するか)で、結果が大きく変わる」という部分を、もう少し掘り下げて解説していきます。
例えば、以下のような場面に遭遇したと仮定します。
「レッスン中に、何かに驚くなどして、勝手にスピードを上げ走ってしまった」
1、素晴らしい馬だと思っていた場合
「ビックリしちゃったんだな」「落ち着いて」等と思うだけ。
2、自分には合わない、ダメな馬だと思っていた場合
「指示もしてないのに勝手に走るなんて、やっぱり苦手だ」「怖い危険な馬」等と思ってしまう。
同じ場面に遭遇しても、接する・乗る馬に対し、どう思っているかで、
「自分の中での評価基準が決まる」というのが「結果が大きく変わる」というカラクリです。
「良いと思っていれば、ずっと良いまま」「悪いと思っていれば、ずっと悪いまま」が続く事になり、それが非言語で伝わってしまい、ずっとループしていき強化されていきます。
このカラクリを、上達への最短距離を突き進む為に、上手に活用していきましょう。
もちろん、自分の技術レベルが不足していて、上手く対処出来ない場合もあり、それは指導者側の責任なので、気にする事はありません。